質問回答データベース Q&A オオカナダモについて
オオカナダモ(要注意外来生物、単子葉植物網トチカガミ科)
書籍 日本の外来生物(平凡社)より
大きさ 長さ1m以上
分布 南アメリカ原産。日本では実験植物として導入されたのが最初である。1940年代に山口県で野生化し、70年代に琵琶湖で大繁茂して問題になった。現在、理科の授業で光合成の実験材料として利用されているほか、最も流通している観賞用水草の1つ。関東以南と温排水のある東北地方の一部に定着している。
特徴 多年生の沈水植物。葉は長さ1,5~4cm、幅2~4,5mmの広線形で縁に細かい鋸歯があり、茎に3~5輪生(ふつう4輪生)する。花期は5~10月。雌雄異株。日本にあるのは雄株のみで、種子生産はしない。径1~1,5cmの3弁の白色花を水面に咲かせる。殖芽や茎葉の断面で盛んに栄養繁殖する。温帯の湖沼、河川、池、水路など日当たりの良い浅い水域を好む。
影響と対策 琵琶湖など各地の湖沼に侵入し、クロモなどの在来の水生植物との競争、駆逐が懸念されている。ニュージーランドなどでも、在来植物が減少したり、魚食魚の採餌行動が妨げられたり、船の通行障害になったりしている。琵琶湖では水草刈取機や水草除去機による大規模な除去が、京都市嵐山では人力による実験的な駆除が行われているが、植物体の断片から再生するので根絶は難しい。海外では除草剤のほか、ソウギョやティラピアの1種に食べさせることにより駆除も行われている。
備考 オオカナダモ属は世界で2種。大正~昭和初期に日本でカナダモとされていたのはオオカナダモのことである。日本ワースト100掲載種。
参考 ・オオカナダモの葉のつき方は、コカナダモや在来種のクロモに比べて葉が大きく詰まっている。
・在来種のクロモの葉は3~8輪生で、オオカナダモより鋸歯がはっきり見える。
公式サイト http://www.small-earth.jp/index.html
参考サイト 神戸の自然シリーズ14 神戸の水生植物
http://www.kobe-c.ed.jp/shizen/wtplant/wtplant/14048.html#identification
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