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質問回答データベース Q&A 光合成について(その2)

質問

オオカナダモ、コカナダモ、クロモの3種類の水草のメリット、デメリットを簡単に教えて下さい。

回答

メリット、デメリットですか。これも、難しい質問です。どの視点から見るかによって、表裏一体のような場合が多いからです。

3種共通のメリット
1)水の浄化(この3種に限らず、すべての水草に言えることですが)水中の栄養塩(リン・窒素など)を直接利用して成長するので、その時点ではを浄化しています。これはメリットといえるでしょう。現実に、これら水草が茂っている水域は、水が透明できれいです。直接飲むことが可能なくらい。ただし、実際に水の浄化を効果的にするには、成長しきった植物体を水域から除去する必要があります。
2)生物の住処になる
オオカナダモ、コカナダモ、クロモは、どの種類もかなり大きく密な群落を作りますので、そこに生物がすみつくことがあります。巻貝類、付着性の藻類やプランクトンなど。魚類も多くみられますが、たとえば現在の琵琶湖では、これらの群落にはブラックバスやブルーギルなどの外来種が多いという指摘もあります。いずれにせよ、水中に構造物を作ることによって、生物多様性は高くなります。

3種共通のデメリット
1)繁茂しすぎて湖底が酸素不足になる
湖底の貝類などの生息に影響を与えます。
2)繁茂しすぎて、航路の邪魔になる。
これら3種類は、いずれも水面まで伸長して水面に広がるように生えているので、船の航行の邪魔になります。プロペラに絡まってエンジンがオーバーヒートしたりします。
3)繁茂した上に糸状藻類が繁茂してゴミがたまったり、景観が悪くなる。
4)繁茂しすぎて水の流れが悪くなる。

オオカナダモ・コカナダモのデメリット
1)在来種の生育場所を奪う
いずれも丈夫な水草でそのまま越冬するので、在来種が生えていた場所に一度繁茂すると、長期にわたって群落を作ります。琵琶湖では、コカナダモは1960年代、オオカナダモは1970年代に移入が確認されていますが、当初は大繁茂して問題になりました。現在では、それなりに居場所を確保して、大繁茂することは少なくなりました。コカナダモなどは、在来種が生来好まない水深の深い泥底に生える場合も多く、ある意味水草帯の構成種としての地位を確立しつつあります。
2)分解が遅い
繁茂しすぎた水草を回収して肥料に用いたりしますが、分解がとても速いクロモとは異なり、外来種の2種(特にオオカナダモ)は分解が遅く、肥料にも向いていないようです。

コカナダモのデメリット
1)流れ藻を発生させる
コカナダモは、何年か同じ場所で大群落をつくると、下の方の茎が切れて、上に茂った塊(?)が流れ藻になります。これが湖岸に流れ着くなどして、景観を悪くし、悪臭を放つなど、迷惑がられています。

滋賀県立琵琶湖博物館
主任学芸員 芦谷美奈子 様から御回答をいただきました。

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